下総國の郷士であった大野佐吉は剣術を学ぶため神田於玉ヶ池の玄武館に
入門しますが、時代は幕末、武士の将来に疑問を覚えた佐吉は商人としての
道を歩むことを決意します。
ある日、佐吉は趣味である釣りに出かけたところ暴風雨に遭い佃島に漂着。
そこで佃煮と出会います。佃煮に惹かれた佐吉は、当時高価であった醤油で
種類ごとに魚介類を煮るという独自の改良を加えます。醤油で煮込まれた佐吉の
つくだ煮は江戸で人気を博し、佃煮は江戸の5大食品として江戸庶民に
愛されていきます。それが鮒佐がつくだ煮の元祖と呼ばれる所以で御座います。
以来、鮒佐では当主に「佐吉」の名と共に、初代佐吉の製法が口伝で
継承されております。現在は5代目 大野佐吉が自ら釜場に立ち、
158年受け継がれてきた伝統の製法でつくだ煮の製造を致しております。